四月。
わたしは大人になった気でいたけど、
多分今もなれていない。
今、三月。
一年経って、
漠然と窓の外を見ていたわたしは、
きっとあの日と変わらないまま、
何を悟った?
それがわからないから、
わたしたちは風船になっている。
いつか、顔も見えない誰かの手で、
割られることを祈って。
そうしてわたしたちはその人の、
空想の神様の手元に留まる気でいる。
留まりたくなかったけど。
わからないことがわからないのって最高。
何故なのかわからないけど。
だからわたしたちは、
占いとか天気予報に頼らなくても、
生きていける世界が欲しい。
それだけで、
わたしたちはまた風船になれる。
そして、
未だに誰も見たことのない、
空の端っこをふたりで見よう。