心食

ふたつの水晶の奥に
映すものは
張りぼての命たち

特別でもなんでもないけど
飾りつけをしよう
壊れるまでずっと


綺麗なものは
大事に大事に
仕舞っておこうね
ガラスの箱に閉じ込めて
誰にも見られないように


泡沫のような
眠る記憶と
海を走る生き物
引き出しは開けずに
決して瑕付けぬように

色のないわたしの心臓が
言葉を結んでいる

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