歩く。
ひたすら歩く。
たったそれだけのことなのに、
自分が作られた存在であると自覚する。
ふと、思うこと。
私達みんな、
夢の中にいるんじゃないか。
この街も、この世界も、この地球も、
この宇宙でさえも、
全部誰かの夢の中の存在。
きっと、神様の夢の中にいる。
神様が何度も同じ夢を見て、
だけどそれはいつも同じ夢で。
そう思うと、
少し誇らしく哀しい気持ちになった、
ある雨の日の午後。
世界が終わるのは、神様が目覚める時。
だから私達は次々に死んでいくし、
それぞれに違う神様がいることが解る。
死ぬ時は、夢を創る神様になる。
そして私達は、
本当の「夢」を見るんだ。